学生クリーン・ビーチいしかわ大作戦 稚魚の放流

水産総合センター所長大橋洋一
石川県水産総合センター
生産部長兼志賀事業所長 大橋 洋一さん
◆◇クロダイの栽培漁業について◇◆
 栽培漁業はつくり育てる漁業とも呼ばれています。それは畑で野菜を育てるのに似ています。畑には野菜の種をまいたり苗を植えたりします。同じように、海という大きな“畑”に稚魚を放します。そうすると、自然の餌を食べてどんどん大きくなり、食べ頃になったら漁業の人が海で獲ってきてくれます。この仕組みのことを栽培漁業と呼んでいます。
 石川県水産総合センター(志賀町)では魚や貝の赤ちゃんを育てていて、これを漁業の人たちが放流しています。今日は、代わりに皆さんに放流してもらいます。
 今日放流するクロダイは5月の下旬に生まれました。体長は約4カ月で6cm程に成長しました。これが来年になると15cm、再来年には20cm、さらに3年後には30cm位になります。今年は約25万匹のクロダイを育てていて、県内各地に放流されています。
 このクロダイを育てるにはいろいろと苦労があります。数年前は能登島で育てていたのですが、志賀町に移ってからは同じやり方なのに、うまく育ちませんでした。いろいろと試してみて分かったのは、海水の塩分濃度の違いでした。七尾湾は半島で囲まれているので、雨が降ると塩分が薄くなります。ところが、志賀町には大きな川もないので七尾湾に比べると海水の塩分が濃くなっています。それが、クロダイの赤ちゃんには向いていなかったようです。そこで、水槽の海水に水道水を足して塩分濃度80%にしたら、同じようにうまく育つようになりました。魚には分からないことがたくさんあるので、上手に育てるのは大変なんです。
 クロダイは大きくなると一部を除いて雄から雌になります。全部が雌になるわけではなく、1割くらいは雄のままでいるようです。性転換する魚は珍しくありません。不思議な生態をしています。
 それでは、クロダイを海に放してもらいますので、大きくなるよう願いを込めてください。

稚魚1

稚魚2

稚魚3

稚魚4

稚魚5

稚魚6

稚魚7

稚魚8

稚魚9

稚魚10

堂村顔写真
金沢星稜大学野外スポーツ部3年 堂村加奈子さん
到着して初めに海岸を見た印象は、「ごみが少ないな」でした。けれど、実際に清掃を始めると、ペットボトルやナイロンなど数多く見つかりました。学生や地域の人たちと協力して、たくさん拾い集めることができました。
また、午後からの「しんかい6500」の講演では、今まで知らなかった深海の事や、仕事について知ることができました。様々な人が関わっている海をキレイにしていけたらと思いました。

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