なぜ、森は海の恋人か?

いしかわ漁民の森づくりin津幡で、「森づくりのお話」をしていただきました。
一部抜粋してご紹介します。

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◆◇◆なぜ、森は海の恋人か?◆◇◆

石川県夕日寺健民自然園
里山活動推進員 松枝 章

皆さんは、“森は海の恋人”という言葉を聞かれたことがあるでしょう。
一昔前は、“海は命の母”とよく言われたものです。
実際、海の中のアミノ酸から生命が誕生して、いろんな生き物へと進化
してきたようですね。

では、“海は森の恋人”とはどんな関係なのでしょうか。

山の森林では落葉などが細菌の力を借りて腐朽しますが、このときに
「フルボ酸」が発生します。これが谷川へ流れ出るとき、土中の鉄分と
結合して「フルボ酸鉄」となり、海へ流れ出ます。
(松永勝彦元北海道大学教授提唱の仮説)

<落葉→腐朽→フルボ酸発生→土の中で鉄と結合→フルボ酸鉄→降雨→川→海>

植物プランクトンや海藻は、海水中の窒素を取り入れ養分としますが、
この時、吸収しやすくする働きをするのがフルボ酸鉄だと言われます。

海には食物連鎖のピラミッドがあります。海藻などが良く育つことによって
動物プランクトンが殖え、これを小魚たちが食べます。
海藻が繁茂すれば小魚たちの隠れ家にもなります。
小魚たちは、サワラやマグロなど大型魚の大切な餌でもあり、
私たちの大切な栄養源ともなっている訳ですね。

大型魚

小 魚

動物プランクトン

植物プランクトン・海藻類

このような環境から、海(の生き物たち)にとって、
森は何物にも変えがたい大切なもの(=恋人)ということです。

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